- はじめに
- 1. Public Enemy – Fight the Power (1990)
- 2. A Tribe Called Quest – Scenario (1991)
- 3. Dr. Dre – Nuthin’ But a G Thang (1992)
- 4. Ice Cube – It Was a Good Day (1993)
- 5. Wu-Tang Clan – C.R.E.A.M. (1993)
- 6. Snoop Dogg – Gin and Juice (1994)
- 7. Nas – N.Y. State of Mind (1994)
- 8. The Notorious B.I.G. – Juicy (1994)
- 9. Warren G ft. Nate Dogg – Regulate (1994)
- 10. 2Pac ft. Dr. Dre – California Love (1995)
- 11. OutKast – Player’s Ball (1994)
- 12. Mobb Deep – Shook Ones Pt. II (1995)
- まとめ
はじめに
90年代のUSラップ、あの時代を知る人なら、誰もが懐かしさと興奮を感じるはずです。
社会の声を伝え、新しい音を作り出し、今でも色あせない名曲がたくさん生まれた、まさにヒップホップ黄金期と言えるでしょう。
この記事では、僕が厳選した90年代USラップの名曲を12曲紹介します。
心に響く歌詞、革新的なビート、そして時代を映す魂のこもった曲たち。
ウエストコーストのギャングスタラップから、詩的な物語を紡ぐイーストコーストのMCまで、幅広いスタイルの中から厳選しました。
古参のヒップホップファンも、最近USラップにハマった若い人も、きっと新しい発見があるはずです。
それでは、90年代USヒップホップの世界に飛び込んでみましょう！
1. Public Enemy – Fight the Power (1990)
Public Enemyの「Fight the Power」は、社会的メッセージを強く打ち出した曲で、Spike Leeの映画『Do the Right Thing』のサウンドトラックとしても有名です。
歌詞は、アフリカ系アメリカ人のコミュニティが直面する問題に焦点を当てており、差別や不平等に対する抗議の声を上げています。
Chuck Dの力強いボーカルとFlava Flavのエネルギッシュなパフォーマンスが特徴で、ラップが社会的変革のための強力なツールであることを示しました。
2. A Tribe Called Quest – Scenario (1991)
A Tribe Called Questの「Scenario」は、そのエネルギッシュなビートとリリカルなやり取りで知られ、ヒップホップシーンに強烈なインパクトを与えました。
Busta Rhymesの印象的なフューチャリングもこの曲を特別なものにしています。
彼の爆発的なヴァースは、多くのファンに衝撃と興奮を与えました。
1990年代初頭のヒップホップの進化を象徴する一曲です。
3. Dr. Dre – Nuthin’ But a G Thang (1992)
Dr. Dreの「Nuthin’ But a G Thang」は、彼のデビューソロアルバム『The Chronic』からのシングルで、Gファンクサウンドを確立した曲です。
Snoop Doggとの共演で、レイドバックしたビートとキャッチーなフックが特徴です。
この名曲は、ウエストコーストヒップホップの象徴となり、その後のヒップホップの歴史に大きな影響を与えました。
4. Ice Cube – It Was a Good Day (1993)
Ice Cubeの「It Was a Good Day」は、ウエストコーストの生活を描写した名曲で、リラックスした雰囲気が特徴です。
ストリートでの一日の出来事が詳細に描かれており、平和で楽しい一日を過ごすことの喜びが表現されています。
ヒップホップにおけるストーリーテリングの名作として非常に評価されています。
5. Wu-Tang Clan – C.R.E.A.M. (1993)
Wu-Tang Clanの「C.R.E.A.M.」は、彼らのデビューアルバム『Enter the Wu-Tang (36 Chambers)』からのシングルで、ハードコアラップの代表作です。
タイトルの「C.R.E.A.M.」は「Cash Rules Everything Around Me」を意味し、厳しいストリートライフと金銭的な苦労についてのリリックが特徴です。
メンバー全員がライム巧者であり、また、マイクリレーの面白さが楽しめる名曲です。
6. Snoop Dogg – Gin and Juice (1994)
Snoop Doggの「Gin and Juice」は、彼のデビューアルバム『Doggystyle』からのシングルで、リリース当時、ウエストコーストラップの新星として一躍注目を浴びました。
Dr. DreのGファンクビートとパーティーアンセムとしてのキャッチーなリリックが特徴です。
Snoopの流れるようなフロウと、唯一無二のスタイルが光る一曲です。
7. Nas – N.Y. State of Mind (1994)
Nasの「N.Y. State of Mind」は、彼のデビューアルバムで今も語り継がれるクラシック、『Illmatic』からの代表曲です。
ニューヨークのストリートライフをリアルに描写した歌詞と、DJ Premierのプロデュースによるハードなビートが特徴です。
この曲は、Nasのリリシズムとストーリーテリングの才能を示し、彼をトップMCの仲間入りをさせました。
8. The Notorious B.I.G. – Juicy (1994)
The Notorious B.I.G.の「Juicy」は、彼のデビューアルバム『Ready to Die』からのシングルで、彼のサクセスストーリーを描いています。
サンプル元のMtumeの「Juicy Fruit」と共に、Biggieの魅力的なフロウとストーリーテリングが光る名曲です。
この名曲は、彼のリリシストしての面とキャッチーなトラックが化学反応を起こし、多くのリスナーにインスピレーションを与えました。
9. Warren G ft. Nate Dogg – Regulate (1994)
Warren GとNate Doggの「Regulate」は、Gファンクの名曲であり、フックの口ずさみたくなるメロディーが特徴の名曲です。
2Pac出演の映画『Above the Rim』のサウンドトラックにも収録されており、ストリートのリアルを描写しています。
Warren GはDr. Dreの異母兄弟であり、Nate Doggと共にSnoop Doggと同じクルーで活動していたこともあり、彼らのコンビネーションが見事に表現されています。
10. 2Pac ft. Dr. Dre – California Love (1995)
2Pacの「California Love」は、Dr. Dreとのコラボレーション曲で、西海岸ヒップホップの代表曲です。
カリフォルニア州をアピールするリリックとGファンクサウンドが特徴で、パーティーアンセムとしても人気が高いです。
2Pacの力強いリリックとDreのプロデュースが完璧に融合しています。
11. OutKast – Player’s Ball (1994)
OutKastの「Player’s Ball」は、サウスヒップホップの代表曲であり、彼らのデビューアルバム『Southernplayalisticadillacmuzik』からのシングルです。
メンバーのAndré 3000とBig Boiは、それぞれのユニークなスタイルで曲を彩り、サウス特有のサウンドを全国に知らしめました。
この曲は、彼らのクリエイティブなサウンドとリリックが際立ち、OutKastの名を世に知らしめるきっかけになりました。
12. Mobb Deep – Shook Ones Pt. II (1995)
Mobb Deepの「Shook Ones Pt. II」は、彼らのアルバム『The Infamous』からのシングルで、イーストコーストラップのクラシックです。
メンバーのProdigyとHavocが描くダークで重厚なビートとリアリスティックなリリックは、ストリートの厳しさを鮮明に描写しています。
この曲は映画『8 Mile』の冒頭シーンでも使用されており、作品を盛り上げました。
USヒップホップ史上において影響力のある名曲中の名曲です。
まとめ
90年代のヒップホップは、東西両岸の対立や地域ごとの独自性が際立った時代でした。
今回の12曲は、その時代を象徴するだけでなく、ヒップホップ文化の多様性と深さを示しています。
それぞれの楽曲が持つアーティストの背景を詳しく掘り下げることで、90年代のヒップホップがいかに革新的であり、影響力があったかを理解することができるでしょう。
この記事を通じて、USラップの多様性を改めて感じていただければ幸いです。
